文教速報デジタル版

BUNKYO DIGITAL

文教速報デジタル版

BUNKYO DIGITAL
「医学を学ぶシリアスゲーム」順天堂大がデザインワークショップ

昨年秋に発足した「MEdit Lab 順天堂大学STEAM教育研究会」は、スポーツ医学研究室の協力のもと、「レッツMEdit Q! リアル&ウェブワーク 医学をみんなでゲームする」を企画・立案している。

研究会の企画事業として、1回目となる「リアルワークショップ」が6月18日に順天堂大本郷・お茶の水キャンパス 7号館で開催され、高校生、大学生(医学部、薬学部他)、高校教諭、順天堂の教員、大学職員など総勢56名が集い、年齢や立場を越えて交流しながら一緒に学んだ。医学を学ぶシリアルゲームのデザインワークショップとして行われた。

今回は、「戦国無双」をはじめとした人気ゲームを世に送り出し、現在、東京工業大学リベラルアーツ研究教育院の教授である山本貴光氏をゲスト講師として招き、ゲームデザインの基本についてレクチャーされた。

■シリアスゲームとは?なぜ、医学部で開催するワークショップであえてゲームを学ぶのか?

欧米では、娯楽以外の学習や研究などの目的で活用する「シリアスゲーム」が数多く開発されており、STEAM教育でも実践されている。タンパク質の構造予測のオンラインゲーム『Foldit』は、2011年にHIV治療法の鍵をにぎるプロテアーゼの構造解析が600人ほどのゲーマーによってわずか10日間で完璧なモデルが提示され、話題を呼んだ。

さらに、文明をテーマにした『シヴィライゼーション』やウクライナ侵攻を題材にしたビジュアルノベル『UKRAINE WAR STORIES』などがシリアスゲームの例として挙げられる。

わが国では、シリアスゲームの活用はあまり試みられていないが、物事の構造を直感的に理解するツールとして、学習や研究での活用の可能性を模索する必要がある。

MEdit Labでは、医学をテーマにしたシリアスゲームを単にプレイするのではなく、それ自体を開発していくプロセスを経験することで、題材とするテーマを掘り下げ学ぶ力、ルールを構成していくシステム思考の力、さらに、医学を医療の実学として社会や文化的側面から見る力を養っていきたいと思い、ゲームシステムを学ぶワークショップを企画した。

■今後のリアルワーク開催予定

第2回8月26日㈯午後2時半~5時半

第3回10月28日㈯午後2時半~5時半

第4回12月16日㈯ 午後2時半~5時半