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早大とオムロンが研究開発を展開 製造業が抱えるエネルギー課題の解決に貢献する工場エネ管理システム基盤を構築へ

早稲田大学はオムロン㈱(本社:京都市下京区)との間で、製造業が抱えるエネルギー課題の解決に貢献する工場エネルギー管理システムの基盤構築に向けた研究開発に取り組む。6月30日に内閣府が主導する戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)での第3期課題「スマートエネルギーマネジメントシステムの構築」に採択されたもので、研究開発期間は2027年度までを予定している。

■共通化されていない「工場利用エネ管理システム」

持続可能な社会の実現に向けた再生可能エネルギー利活用をはじめとするカーボンニュートラルに向けた取り組みが世界各国で進展している。わが国では、2020年10月に政府が「2050年カーボンニュートラル」の実現を表明しており、社会全体で脱炭素化に向けた取り組みが求められている。

社会全体で脱炭素化を実現するためには、各企業レベルでの再生可能エネルギーの自家発電やエネルギー資源利用の効率化などの個別取組にとどまらず、社会全体でエネルギー資源を利活用し合える、最適なエネルギー管理に取り組む必要がある。

しかし、エネルギー消費の大きい製造業では、工場などで利用されるエネルギー管理システムや電力に関連するデータの形式や通信規格が共通化されていないのが現状。このため、エネルギー資源情報の受け渡しのインターフェースやルールが整備されておらず、各社が企業間の枠を越えてエネルギーの全体最適に向けて連携するための障壁になっている。

こうしたなか、太陽光パネルなどの再生可能エネルギー発電能力や、産業用蓄電池による貯蔵能力に関連するデータなどの情報データを標準化し、各地域レベルで協調制御するシステム整備が求められている。

■導入可能な共通モデル化へ最適化の検証

今回の研究開発はこのような課題解決に向けて実施するもの。オムロンが有する工場の生産現場でのエネルギー関連データの可視化と管理に関わるセンシングとデータ解析・制御技術やマネジメントノウハウと、早大が有する制御システムでの産業用オープンネットワークを利用したエネルギーシステムの最適化技術を組み合わせた、新たな工場エネルギー管理システムの基盤構築に取り組む。

具体的には、オムロンは自社が保有する工場でエネルギー管理システムの設計・実証を重ね、早大ではスマート社会技術融合研究機構・動力エネルギーシステム研究所が中核となり、さまざまな企業に導入可能な共通モデル化に向けた最適化・仕様の検証を行う。

オムロンと早大は、産学の知見を結集することで、日本発の社会実装可能な工場エネルギー管理システムを基盤構築し、日本産業界のエネルギーソリューションビジネスにおける国際競争力の強化、脱炭素化に貢献する方針だ。