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AIによる就職面接アドバイス・システムへ 立教大がベンチャーと共同研究

立教大学スポーツウエルネス学部の小林哲郎准教授、村本宗太郎助教は、AIベンチャー3社との四者共同で、『感情推定AIによる印象測定システム』の共同研究をスタートした。この研究に参画するAIベンチャーは、㈱トリプルアイズ(本社:東京都千代田区、東証グロース市場《証券コード:5026》)、SHIN4NY㈱(神奈川県小田原市)、㈱エクスマイル(東京都品川区)。AIによる就職面談アドバイスシステムの開発を目指している。

1.好印象の根拠となる客観的な指標を確立

感情推定AIによる印象測定システムは、トリプルアイズの画像認識による感情推定AIエンジンとSHIN4NYの音声解析による感情推定AIエンジンを組み合わせることで、ユーザーが他者に与えている印象を客観的に判断するシステム。立教大スポーツウエルネス学部の小林准教授、村本助教がデータ分析を行い、客室乗務員志望者の就活指導を行うエクスマイルが面接指導においてデモ導入。表情、音声のデータ分析から印象の根拠となる総合的な指標の解析を目指す。

2.従来の面接は主観による指導に限界

コミュニケーションにおける言語・聴覚・視覚情報の影響の割合を示す「メラビアンの法則」によると、人は話の内容などの言語情報よりも、見た目などの視覚情報や声のトーンなどの聴覚 情報からより大きく印象を左右されるとされている。表情や音声などの印象は訓練によって向上させることができる。しかしながら、現状では講師の主観による指導が中心となっており、 より客観的に表情や音声を評価する指標が求められてきた。今回の共同研究では、表情と音 声の総合点などから好印象を判定するシステムを目指す。

3.ニーズが高まるAIによる印象測定システム

印象測定システムは、就活生が自ら訓練を行うことで講師料などの費用を削減することができる。また、従来の面接の指導は話の内容(言語情報)を中心に行われており効果的な指導 をできていなかった。これは、表情・音声を数値で測定し客観的な指標がなかったことによるものと考えられる。この印象測定システムは、こうした従来の課題を解決しうるもの。

印象測定システムは就活支援にとどまらず、同様の課題を抱えている、接客・接遇分野、人材研修・教育分野、結婚紹介分野にも大きなニーズが見込まれる。また、立教大スポーツウエルネ ス学部では、スポーツ指導者の表情などからデータ分析を行い、指導者が自らを客観的に評価す るための指標づくりに取り組んでいる。中長期的には、印象測定システムを一般ユーザーに専用アプリで提供することも想定でき、さらに大きな市場の開拓も望める。