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がん治療時の口(くち)の痛みを和らげたい 岡山大病院で新規口腔粘膜保護材を開発

岡山大学学術研究院医歯薬学域歯周病態学分野の大森一弘准教授・高柴正悟教授らの研究グループは、がん化学療法時に多発する口腔粘膜炎の痛みを和らげる効果が期待される新規口腔粘膜保護材(商品名:ソフトプロテクターCPC)を開発し、5月23日に医療機器(クラスⅡ)の承認を取得した。

口腔粘膜炎はがん化学療法中に口唇や舌に発症して、激しい痛み(主に接触痛)のため、食事や会話が困難となったり、歯磨きができなくなったり、と生活の質(QOL)を著しく低下させる。

今回開発した口腔粘膜保護材は、従来の口腔粘膜炎表面の保護を目的としたものではなく、粘膜炎表面が触れる「歯」に充填することによって、接触痛の緩和を目指すもの。現在、新たな口腔粘膜炎治療法としての応用を目指して、特定臨床研究を岡山大学病院で実施している。

この研究開発は、大森准教授、高柴教授とともに、岡山大学病院新医療研究開発センターの伊東孝助教、岡山大学学術研究院医歯薬学域生体材料学分野の入江正郎博士研究員、サンメディカル㈱、㈱モリタが共同して行っている。また、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の橋渡し研究戦略的推進プログラム(シーズB)の支援を受けている。