文教速報デジタル版

BUNKYO DIGITAL

文教速報デジタル版

BUNKYO DIGITAL
量子技術の教材データベースをNIIが中心となってオープン提供~九大、慶大、名大、東大との協働で量子技術の人材育成を推進~

大学共同利用機関法人情報・システム研究機構 国立情報学研究所(NII)は、量子技術に関する図やグラフ、練習問題やプログラムコードなどさまざまなコンテンツを収めた教材データベースを構築し、広く一般に利用できるよう、6月12日に公開運用を開始した。

量子技術高等教育拠点: https://qacademy.jp/

この教材データベースは、NII、九大、慶大、名大、東大が協働して設立した量子技術高等教育拠点からオープンサイエンスの考え方に基づいて提供するもの。この教材がインターネットを通して大学教育や研究の現場で広く利用されることで、量子科学技術分野の人材育成への貢献が期待される。

ここ数年、量子科学技術が世界的に急速な発展を遂げている。その一方で、研究や開発、さらにセールスやマーケティングといった広範な職種で量子技術の中長期的な発展を支える人材の不足への懸念が高まっている。

この状況を受け、NII量子情報国際研究センターは、九州大、慶應義塾大、名古屋大、東京大とNIIの5機関の協働で量子技術高等教育拠点(幹事機関:NII、https://qacademy.jp/)を2019年にスタートした。

この拠点は文部科学省Q-LEAP(光・量⼦⾶躍フラッグシッププログラム)人材育成共通コアプログラムの助成を受けて設立したもの。質の高い量子技術教育の支援を行い、融合研究、社会実装、量子新技術の社会への導入と普及を支える人材の育成を目指して、オープンサイエンスに基づく教育事業を行っている。

今回、大学と大学院教育、また研究コミュニケーションでも活用できる、内容の正確さと質の高さを兼ね備えたコンテンツを、Q‐LEAP人材育成共通コアプログラム参加5機関で共同作成した。

さらに、NIIオープンサイエンス基盤研究センター(RCOS)が開発するデータ公開基盤 JAIRO Cloudを用いて、量子技術のための教材データベースとして開発した。

この教材データベースでは、量子科学技術で多用される図やグラフ、練習問題とその解答などを、クリエイティブコモンズCC BY-SAライセンスのもとで提供することで、教育現場でライセンス管理の手間を省いて利用できることも特徴。将来的には、動画や講義スライド、計算コードなどもコンテンツに加えていく予定。

この教材がインターネットを通して大学教育や研究の現場で広く利用され、量子科学技術分野の人材育成に貢献できることが期待される。