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歴史的イベント「洪庵忌」を市民に公開 阪大、重文「適塾」から最新研究成果を発信

江戸時代末期の医師・蘭学者である緒方洪庵が高弟たちを教育した「適塾」。大阪大学の精神的源流として位置付けられて、阪大では毎年、洪庵の命日である6月10日の前後に『洪庵忌』を開催してきた。国の重要文化財「適塾」で、阪大の最新の研究成果を紹介するもので、コロナ禍での中断を経て、4年振りに実施されることとなった。その模様が6月8日㈭オンラインで公開される。今回は阪大の最新の研究成果として「ヒューマン・メタバース」を発信する。

また、特別展示「シリーズ生誕200年記念~その参 村上代三郎」を6月11日まで開催している。

阪大では全く新しい世界初の科学分野として「ヒューマン・メタバース疾患学」を創成。さらに昨年秋に「大阪大学ヒューマン・メタバース疾患研究拠点(PRIⅯe)」が、国の世界トップレベル研究拠点プログラム(WPI)に選出されている。

今回の研究高秋では、PRIMeの拠点長を務める西田幸二教授が『ヒューマン・メタバース疾患学とは~人体を仮想空間で創りあげる未来の医療』と題して講演する。

PRIMeでは、コンピュータやインターネットのなかにもう一人の自分の体を再現。高い精度で病気の予測や予防、治療を行う。また、iPS細胞からミニチュア臓器を作製し、病気が発症するしくみや新しい治療法の研究を行い、一人ひとりにあった未来の医療を目指している。

 適塾は唯一現存する蘭学者の遺構で、大阪市街で最古級の町屋建築として国の重要文化財に指定されている。江戸時代に大坂商人が設立した学問所である「懐徳堂」とともに、阪大の精神的源流に位置付けられており、主宰者である緒方洪庵は、阪大の〝校祖〟とも言い得る人物とされている。

今年は没後160年の節目にあたる。阪大では毎年6月第一月曜日を「洪庵忌」として、偉業を振り返り、洪庵と適塾の学問的精神を思い起こす一日としている。