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東京医歯大、ICUに「収納式トイレ」を設置 QOLの低下を防ぐ

東京医科歯科大学病院は、1日に稼働を開始した新しい集中治療室のベッドサイドに㈱LIXILと共同研究を行う「収納式トイレ」を設置したと発表した。QOLの低下を防ぎ、より効果的なリハビリテーションにも生かす狙いがある。

同大学病院はICUにある8つの患者個室のベッドサイドに収納式トイレを設置し、ベッドから2メートル程度の移動でトイレが使える環境を整備した。この収納式トイレによって、ICUにおける衛生が改善することに加えて、身体機能の向上のためのリハビリテーションにも期待できる。

排泄ケアはICUにおける課題の1つ。多くの人がポータブルトイレを使用してもらっている現状があり、これが入院中の患者のQOL低下を引き起こしている。またベッドから離れたところにあるトイレへ歩いて行ける患者さんは限定的である一方で、病室の近くに水洗トイレを設置することは非常に困難であった。

同大学は「音や光、匂いといったICU空間環境の整備や早期リハビリテーション介入は集中治療後症候群(PICS)予防に重要だと考えられており、今回の新たなトイレの設置はPICS予防にも有用であることが見込まれる」としている。