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コロナ後遺症解明へ 横浜市立大の研究Gがクラファン

横浜市立大学の高橋琢哉教授らの研究グループは2日、新型コロナウイルス感染症(COVID―19)の後遺症のうち、ブレインフォグと呼ばれる認知後遺症を、同大学が開発した最先端の機器で撮影したPET画像を用いて解明するプロジェクトを実施する。

コロナ後遺症の実態はアンケート調査などで明らかになっている。コロナ後遺症はブレインフォグ、倦怠感、気分障害を中心とした症状が10―40%を占めているともいわれている。同大学のアンケート調査でも、2か月以上継続する割合が高い症状の一つとして「記憶障害」が指摘されている。

また、海外の研究でも80%以上のコロナ後遺症患者が認知機能障害や記憶力低下が日常生活・仕事に影響を及ぼしたという調査もある。こうした研究は、コロナ後遺症の中でも特にブレインフォグによる社会的損失が大きい可能性を示している。

近年、脳の働きの主役を担う分子「AMPA受容体」の発現密度をヒト生体脳で可視化できる世界初の「K―2 AMPA―PET」を高橋教授らの研究グループは開発している。

研究グループは、「ブレインフォグの患者さんの脳において、AMPA受容体量の発現のバランスが破綻しているのではないか」と考えた。その研究を実施するための資金を集めるクラウドファンティングだ。

目標金額は500万円で、期間は11月30日午前11時まで。3万円以上の寄附で脳とこころに関するオンライン講習会に参加できる。30万円以上で論文投稿時の謝辞項目に名前が掲載される。