宮崎大学医学部付属病院は、産婦人科外来が全ての患者に寄り添うことができる空間の創出を目指して、2日から550万円を目標としたクラウドファンディングによる寄付募集を行っている。名称は「みんなの場所プロジェクト」。来院する患者の不安を取り除くために、集めた資金は外来授乳室の整備や外来の椅子の補充、診察室の超音波モニターの設置に使われる。プロジェクトは2日~11月29日まで実施予定。
□十分でない「命に直結しないこと」への予算配分
宮崎大医学部附属病院は、2012年度にはドクターヘリが運航を開始し、2021度年には総合周産期母子医療センターがリニューアルするなど、県内全域の病院や診療所と連携して地域医療を支える最後の砦とも言うべき特定機能病院として県民の安全・安心を守ってきた。
一方で、命や診療に直結するようなことについては優先的な予算配分がなされるものの、その他の命や診療に直結しないようなことに関しては十分な予算が配分されない状況にある。同大医学部附属病院産婦人科病棟には、胎児や乳幼児に何らかの異常などが原因で来院する患者がほとんどで、来院患者の心の不安を少しでも取り除くような空間創出が喫緊の課題となっている。
また、今年5月に来院した患者を対象に実施したアンケートでは、待合室のソファーや椅子、授乳室やモニター室(計測室)などの充実を求める声が多く寄せられた。
そこで今回、宮崎県における産婦人科医療の最後の砦である産婦人科外来を少しでも早く改修し、患者に寄り添うことができる特別な空間を創出するために、クラウドファンディングに挑戦することとしたという。