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北大研究Gが世界最大サイズの結晶性ローター型分子の開発に成功 新たな半導体特性の開発に期待

北海道大学の陳旻究准教授は先月29日、他大学と共同で、固体内で分子回転を示す世界最大サイズを持つ結晶性ローター型分子の開発に成功した。新たな発光性や半導体特性の開発が期待できるとしている。

結晶性ローター型分子と呼ばれる固体材料では、分子やその一部が固体中で回転に近い運動を示す。この材料は、その回転型分子運動を用いて固体が示す発光特性などの機能性を制御することが可能である。付加価値の高い機能性を持つ分子マシンの開発において重要な役割を果たしています。

研究グループは独自で開発したかさ高いお椀型の分子で回転部位を包み込む手法を用いて、三次元的に複雑な形状を持つペンチプチセンへ固体中で回転型運動を付与することに成功し、世界最大のサイズを有する結晶型ローター型分子の実現を見出した。

これまでの結晶型ローター分子では、ベンゼンのような単純な形でかつサイズが小さい回転ユニットが主に使用された。この研究では5つのベンゼン環が立体的に組み上がっているペンチプチセンを固体内で回転型運動させることのできる分子設計手法を開発した。

研究グループは「この設計指針を用いてユニークな光物性や電子物性を示す分子が結晶中で回転できる固体材料の開発が可能なので、従来の回転型運動を含まない固体材料では得られない特異な発光性や半導体特性の開発が期待できる」としている。