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イネ発芽過程のプラズマ照射が収穫期まで影響〜名大研究Gが酒米種子で成長促進効果を確認、作物栽培への応用に期待

◇研究のポイント

☑酒造好適米(酒米)品種「山田錦」の発芽過程に着目し、吸水後の種子へプラズマ照射すると初期成長が促進された。この時、胚では成長に関与する植物ホルモン群の濃度が増加することが明らかとなった。

☑これらのプラズマ照射種子を人工気象「Smart Plant」で収穫期まで生育すると、発芽時にみられた成長促進効果がその後の生育段階にも確認され、出穂時期にも影響することが示された。

☑低温プラズマ処理は、新たな種子プライミング法として農業への応用が期待される。

近年、大気圧低温プラズマ(低温プラズマ)を医療・農業などのバイオ分野へ応用する研究が盛んに行われており国内外から注目されている。名古屋大学低温プラズマ科学研究センターの堀勝特任教授らの研究グループは、富士通クライアントコンピューティング㈱(FCCL)との共同研究で、水稲栽培での低温プラズマ処理が玄米の収量や品質に有効であることを明らかにした。

この研究では酒造好適米(酒米)品種「山田錦」の種子発芽の過程に着目し、給水後の種子に低温プラズマを照射することにより初期成長が促進されることを見出した。また、同大学大学院生命農学研究科や理化学研究所との連携により、胚においてサイトカイニンやオーキシンといった植物の成長に関与するホルモン群の濃度が増加することが明らかとなった。

さらに、それらを人工気象器で収穫期まで生育すると、発芽時にみられた成長促進効果がその後の生育段階にもみられ、出穂までの日数が短縮するなど、収穫期まで影響することが示された。

すなわち、発芽時の種子へのプラズマ処理がその後の生育にも影響を及ぼす可能性が示された。これらの結果は、低温プラズマ処理が種子発芽のプライミングに有効である可能性を示すもの。

今後、ICT農業(スマート農業)と大気圧低温プラズマ(低温プラズマ))を融合することで、農作物の安定的な生産に向けた新たな農業技術への応用が期待できる。

この研究成果は、8月4日付学術誌「Scientific Reports」にオンライン 速報版が掲載(最終版は10月5日掲載)された。