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イカ墨で伝える「ここは僕のナワバリ」 東大研究Gがヤリイカの雄が見せる特殊な墨吐き行動を発見

□研究のポイント

◎ヤリイカの雄は繁殖のために縄張りを形成するが、縄張りを構えた雄がライバルとなる雄や雌に対してイカ墨を吐くことを発見した。

◎一般にイカ墨は捕食者の目を欺く防御のために使用されるが、縄張り行動に関連した使用は今回が世界で初めての報告になる。この際に使われるイカ墨には、視覚的な効果に加え、化学的な効果がある可能性が考えられる。

◎イカやタコの仲間(頭足類)の特徴とも言える〝墨〟という形質が、どのように進化してき たのかの理解に役立つことが期待される。

東京大学大気海洋研究所の細野将汰特別研究員(研究当時)、岩田容子准教授、水産研究・教 育機構の時岡駿研究員、北海道大学大学院水産科学研究院の山本潤助教らによる研究グループは、ヤリイカの雄が繁殖のために縄張りを構えた際に、これまでに知られていなかった特徴的な墨吐き行動を行うことを発見した。

頭足類が持つ墨は、一般に捕食者から襲われた際の防御のために使用される。細野研究員らの研究では、ヤリイカの雄が繁殖のために縄張りを構えた際に、ライバルとなる雄や雌に対して、決まった動作パターンでイカ墨を吐くことを発見した。

また、ここで使用されるイカ墨は、瞬時に 水中に拡散することや、対象となる相手が近くにいない場面でも墨が吐かれることから、視覚的な効果に加え、その成分を介した化学的な効果をもつ可能性が考えられる。

この研究は、縄張り行動に関連したイカ墨の使用を世界で初めて報告するものであり、頭足類における墨という形質や縄張り行動の進化の理解に役立つことが期待される。