官庁通信デジタル

KANCHO TSUSHIN DIGITAL

官庁通信デジタル

BUNKYO DIGITAL
<カレーの国・インドは大腸がんが少ない>裏付けか、カレー粉成分「クルクミン」効果を徳島大教授らが検証

徳島大学大学院の髙山哲治特命教授らの研究グループは、「カレーの黄色成分」として知られる「クルクミン」が大腸前がん病変の再発を抑制することを明らかにした。

大腸腺腫(ポリープ)の再発抑制効果について、全国26施設・約600人を対象に2年間の大規模ランダム化比較試験を世界で初めて検証した結果、6mm以上の大きな大腸腺腫の発生リスクを約44%低下させ、個数や大きさについても抑制効果が認められた。なお、副作用の増加は認められなかった。

身近な食品成分であるクルクミンが、将来的に大腸がんの高リスク患者に対する安全で新しい予防手段となることが期待される。

今回の研究結果は、クルクミンによる大腸がん予防効果の可能性を示す世界初のエビデンスとなり、8月28日に国際的学術誌「The American Journal of Gastroenterology」に、Accepted manuscriptとして公開された。

カレーが常食されているインドでは、古くから大腸がんの罹患率が低いことが知られており、食生活との関連が注目されてきた。ウコン(ターメリック)に含まれるクルクミンは、カレー粉の黄色成分としても知られるポリフェノールであり、抗酸化作用や抗炎症作用を有し、基礎研究では大腸がんを含むさまざまながんに対する発がん抑制作用が報告されてきた。

しかし、これまでヒトを対象とした、大腸腫瘍に対する再発予防効果を検証した大規模なランダム化比較試験は行われていなかった。

他方、大腸がんの多くは、前がん病変である大腸腺腫(ポリープ)を経て発生すると考えられている。腺腫を内視鏡で摘除することで、大腸がんによる死亡を減らすことができるが、摘除後にも新たな腺腫が発生することが問題視されてきた。

これまで、消炎鎮痛剤やアスピリンなどによる大腸腺腫再発予防効果が報告されているものの、消化管障害などの副作用の問題があり、日常診療では広く用いられていなかった。

今回の研究では、大腸腺腫を内視鏡摘除した患者を対象として、通常のクルクミンより吸収性を大幅に高めた高吸収型クルクミン「セラクルミン®」を摂取した群と、プラセボ(有効成分を含まない対照食品)を摂取した群を比較し、それぞれ2年間の摂取により新たな大腸腫瘍の発生を抑制できるかを検証した。

その結果、クルクミンは腺腫の発生そのものを完全に防ぐというよりも、腺腫の増大や進展を抑制する可能性があり、さらに過去に摘除された大腸腺腫の数が多い患者ほど、クルクミンによる腺腫の再発抑制効果が高まる傾向がみられた。また、2年間の長期投与においても、良好な安全性が確認された。

これにより、大腸腺腫を繰り返す大腸がん高リスク患者に対する新たな予防法となる可能性が見出された。