国立科学博物館は、重要科学技術史資料(愛称:未来技術遺産)として、筑波大学サイバニクス研究室の山海嘉之氏(CYBERDYNE㈱創業者)が製作、同社が所有するロボットスーツ(装着型サイボーグ)実用化第一号「HAL‐3」など13件を新たに登録した。登録証授与式は9月29日に科博で執り行われ、さらに、一部実物資料を展示するパネル展が9月29日から10月18日まで科博日本館1階中央ホールで開催される。
科学技術史資料は、科学や技術の発展、産業構造の変化などで、急速に失われようとしている。科博では、このような資料の保存を図り、先人たちの経験を次世代に継承していくことを目的として、重要科学技術史資料の登録制度を実施している。
この制度は、事物の重要さを顕彰するとともに、登録資料の情報をウェブ上で公開・周知し、登録後も継続的に状況の確認を行うこととしている。この制度によって、わが国の科学技術や産業技術の発展の証となる歴史的資料を文化として保存する意識が涵養されることが期待される。
平成20年度(2008年度)から行っているもので、今年度は「HAL‐3」をはじめ、自動車に搭載された世界初の電動パワーステアリング(コラムアシスタントタイプとラックアシストタイプ)や、現在国内唯一となるガラス製魔法瓶用の真空二重瓶製造装置などが登録される。
今回登録を受けることとなった「HAL‐3」は微弱な生体電位信号を検出することにより意図した動作を実現するロボットスーツ(装着型サイボーグ)の実用化第一号。筑波大の山海氏らによる人体の外骨格システムとパワーアシストの基礎的な研究をもとに、各種センサーを備えて、人体の動きを違和感なく補助することができる。実験室モデルであるHAL‐1、同2を経て、制御用コンピュータなどをバックパックに収納し可搬可能とした。
後続機は欧米東南アジア各国でも医療機器として承認を得ており、脳神経系由来の生体電位信号をもとに、身体機能を補助・改善・拡張する新概念の治療機器(医療機器)の実用化に道を開いた装置として重要性を増している。 〝人の生体電位信号による運動機能改善装置の実用に道を開いた〟点が高い評価を得た。