大学改革支援・学位授与機構内に設置されている高等教育資格承認情報センター(NIC-Japan)は、7月29日にNIC‐Japanセミナーシリーズ「FCE(Foreign Credential Evaluation: 外国学歴・資格評価)研修プログラム」をオンラインで開催した。
NIC‐Japanは、高等教育資格の円滑な承認に資する情報提供活動の一環として、海外の教育制度や資格審査に関する諸テーマについて国内外の有識者が講演する「NIC‐Japanセミナーシリーズ」を実施している。同プログラムは、外国での学修歴を有する者の出願資格審査や入学資格審査等を行う大学等の教職員を対象に、FCEに関する理解促進と専門性向上を目的として実施した。
当日の進行は同センターの森利枝センター長が務め、「出願資格審査の現在地」と題して、ユネスコの東京規約及び世界規約に基づく外国資格承認の考え方や、日本における出願資格審査の仕組みについて紹介し、高等教育機関が外国資格承認における「権限ある承認当局」として果たす役割について解説した。また、全国の大学調査の結果をもとに、日本におけるFCEの実施体制等を紹介し、情報提供や研修を通じた「支援された分権化」の重要性を示した。

続いて、同機構研究開発部の野田文香教授が「日本の教育資格枠組み(JEQF)の意義と活用可能性」と題して講演し、JEQFの概要と活用可能性について説明するとともに、資格枠組み(NQF)や、ユネスコが策定した国際標準教育分類(ISCED)について紹介した。また、日本の教育資格を海外へ適切に説明するためのJEQFの役割と、資格名称だけでなく、学習成果や質保証、教育制度上の位置付けなどの補足情報を併せて示す重要性について説明した。

中島伊織・文部科学省高等教育局大学振興課法規係長は、「大学入学資格ガイド」の概要と、外国学歴・資格を審査する際の基本的な考え方について説明した。外国資格の審査にあたっては、修業年限のみでなく、当該国の教育制度上の位置付けや大学への接続性を踏まえて判断すること、また、多様な学修歴を有する出願者への対応事例を交えながら、最新の制度情報や公的情報源を活用することの重要性が示された。

さらに、同センターの堀田シニアアドバイザーが「FCEの実践における有益な手法・情報紹介」と題し、FCE実務の進め方や情報収集の手法について解説した。また、志願者による改ざんや偽造証明書への対応事例を踏まえながら、各種オンライン確認システムや国内外の資格承認機関等が提供する情報源を活用し、複数の情報源に基づいて判断することの重要性が強調された。

セッション最後の質疑応答では、FCE担当者の育成や国際的な資格承認の考え方、日本の大学入学資格制度の運用、出願書類の真正性確認などについて活発な議論が行われ、FCEに関する理解を一層深める機会となった。
同プログラムには、国内の大学等を中心に約200名が参加し、FCEに関する基礎知識や最新動向への理解を深める機会となった。
当日の動画および講演資料は、NIC‐Japanウェブサイト(https://www.nicjp.niad.ac.jp/news/nic-japan.fce.online.html)に掲載している。