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シナモンの香りに「社会的フレイル」予防期待、鹿児島大教授らが発見

鹿児島大学水産学部の塩崎一弘教授らとクラシエ株式会社(薬品カンパニー)の漢方研究所は、食品や生薬として広く利用されているシナモン(生薬名:ケイヒ)の香り成分に、社会性を高める作用があることを発見した。

この研究成果は、高齢者における社会的フレイル(社会とのつながりの低下)の予防や改善への応用が期待される。

同研究では、社会性を評価する実験対象としてゼブラフィッシュを用い、シナモンおよびその香り成分であるシンナムアルデヒドが、見知らぬ集団に対する社会的接近行動を促進することを明らかにした。この作用は攻撃性の増加によるものではなく、社会的な関心や社会性の高まりによるものだった。

これに加え、その作用機序を解析した結果、シンナムアルデヒドは脳内のイソトシン(ヒトのオキシトシンに相当)神経系を活性化し、さらにこの作用には肝臓由来ホルモンFGF21が関与することを明らかにした。

シナモンの香り成分に社会性を高める効果を見いだした報告はこれまでになく、同研究は社会的フレイルの予防や改善につながる新たな可能性を示す成果と言える。

高齢化社会の進行に伴い、近年重要な課題となっている「社会的フレイル」は、身体機能や認知機能の低下だけでなく、人とのつながりや社会参加の減少によって生じる。

孤立や引きこもりの原因となるだけでなく、身体活動量や食欲の低下、うつ症状の発現などを介して、要介護状態や認知症のリスクを高めることが知られていることから、社会性や社会参加を維持・促進するための介入法の開発が求められている。

なお、同研究成果は2026年6月に国際学術誌『Food & Function』に掲載された。