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宮崎大、7年度入試から工学部の女子枠を設定

宮崎大学では、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)事業である「女子中高生の理系進路選択支援プログラム」に、同大工学部が主体となって申請した「集まれ!宮崎アマテラスガールズ~サイエンスの岩戸を開けてみよう~」が採択された。中学生も含めた形で理系進路選択の支援を行い、今後必要とされる人材育成を進める。

また、令和7年度入学選抜(6年度実施)での学校推薦型選抜で、女子枠を新設することとし、工学系人材となることを志す女子生徒の受け入れ・人材育成を加速化させることした。新たに設ける女子枠の募集人員は14人(総定員数370人)。

日本国内の4年制大学の工学分野での女子比率は15.7%で、経済協力開発機構(OECD)加盟の調査対象国の中で最低であり、宮崎大工学部の過去7年間平均の女子比率は11.3%で全国平均よりもさらに低い状況が続いている。

同大ではこれまで、平成21年度から女子高生の理系進路選択支援を目的とした、啓発のためのさまざまなイベントを通じて女子学生の理工系への進学率の低さを解消することに取り組んできたが、今回、こうした取り組みを拡充して実施することにした。

「集まれ!宮崎アマテラスガールズ~サイエンスの岩戸を開けてみよう~」は、これまで高校1、2年生を対象としてきた取り組みを中学生にも対象を拡大。また、中高生本人の進路選択に大きな影響力を持つ保護者に対しても工学部について深く理解してもらう機会を提供していくため、様々な企画を年間通じて実施する。

また、共同機関(宮崎県教育委員会、宮崎市教育委員会)と連携機関(九州電力㈱、旭化成㈱、㈱デンサン)と密接に連携しながら進め、1年間で600人(教員・保護者を含む)のイベント参加を目指すとともに、これらの取り組みを宮崎県内に波及させることで、中高生を取り巻く人々、さらには、社会全体の意識の変化をもたらし、将来工学部を目指す優秀でかつ多様な人材の増加を目指す。

さらに、令和7年度学校推薦型選抜から工学部で女子枠を新たに導入する。これまで、大学で実施したアンケートで、女性の比率が低いことを理由に女子受験生の志願自体が躊躇されていたり、入学してからも男子学生中心の議論に入りづらいとの意見もみられていた。

理工系の知識や技能を修得した女性の輩出が企業や社会から多く求められている状況のなか、大学に多様な価値観をもつ学生や教職員が集まることで、個々の多様性を認識・尊重し、社会問題の解決のためのよりよい教育研究環境を整えることで、これまで以上に女子中高生が理系の進路を選択しやすくなることを目指す。