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順天堂大浦安病院が「高度救命救急センター」指定受ける

順天堂大学は、医学部付属浦安病院が1日付けで特に高度な診療機能がある「高度救命救急センター」に指定された。専門性の高いスタッフや高度な医療設備などが評価されたとしている。

同センターは厚生労働省が毎年実施している「救命救急センター充実段階評価」では、5年間連続で4段階中最高ランクの「S評価」を取得している。重症患者や特殊疾患患者を多く受け入れてきた実績やチーム医療を推進する専門性の高いスタッフ、高度な医療設備、機器を有することが評価された。

岡本健センター長は「千葉県および近隣都県から紹介される重症患者数の増加が予想されますが、すべて受け入れ、救急医療の最後の砦として頼りにされるセンターを維持すべく精進していく」とコメントした。

順天堂浦安病院高度救命救急センターでは、①重症外傷および広範囲熱傷の治療、②指肢切断の治療、③急性中毒の治療-が行われている。

■重症外傷および広範囲熱傷の治療

熱傷(やけど)とは、皮膚や粘膜に障害が生じる外傷の一つ。身近に発生するありふれた外傷ではありますが、体表面積の20%を越えるような広範囲で深いやけどの場合は、ショック、敗血症や多臓器不全などの重篤な合併症を引き起こし、命に関わるため、熱傷専門施設での集約的入院治療が必要となる。順天堂浦安病院は日本熱傷専門医認定研修施設に指定されており、常勤の熱傷専門医4名を中心として、形成外科、皮膚科、整形外科、リハビリテーション科、栄養科、救急診療科などが連携して、県内外から紹介された広範囲熱傷患者の診療を行っている。

■指肢切断の治療

刃物や機械で指、時には手のひらのレベルで指が切断され、血流が途絶した状態を指肢切断という。指が切断されるときは、皮膚や骨にとどまらず、指の関節を動かす腱や、指の感覚を司る神経、指に血液を送る動脈、指先から血液を心臓に戻す静脈など重要な組織も切断されてしまうため、微小血管吻合(マイクロサージャリ)を行う必要がある。

浦安病院は『手外科センター』と『外傷・再建センター』を擁しており、手外科専門医 3 名を含む、常勤医師6名で指肢切断を含めた神経・血管損傷を伴った重度四肢軟部組織損傷に対応している。

■急性中毒の治療

急性中毒は、人体にとって有毒な物質を過剰に摂取することで、意識障害や呼吸・循環障害をはじめ、様々な臓器障害をきたす病態をいう。同センターで取り扱う急性中毒患者は、いずれも重症度が高く、生命機能を維持するための支持療法、毒物の吸収防止や排出促進、適切な解毒剤の投与などの特殊な高度専門治療を要している。当院では中毒の種類や摂取量に応じて重症度を見極め、原則入院による治療となり、メンタルクリニックと連携しながら、回復後の心のケアまで行っている。