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築100年・佃島の魚問屋「旧飯田家住宅」保存・活用に向けたクラファン実施中 教員と学生が挑戦する文化継承と地域コミュニティの再生【芝浦工大】

芝浦工業大学(東京都港区/学長 山田純)建築学科・志村秀明教授が代表者を務め、同大学の学生も企画やデザイン、実測調査、改修工事作業を行う「旧飯田家住宅保存活用プロジェクト」が、4月26日からクラウドファンディングを行っている。江戸時代の地割を保ち、漁師町の高密度居住地の住まいとして歴史的・文化的価値のある旧飯田家住宅を保存し、地域コミュニティの中心の役割を果たす用途混合型シェアスペースとしての活用を目指す。

<クラウドファンディング概要>

プロジェクト名:「旧飯田家住宅保存活用プロジェクト」(目標金額:300万円)

実施期間:4月26日~6月24日

URL:https://readyfor.jp/projects/tsukuda_iidahouse

リターン(例):5000 円(+システム利用料)→旧飯田家住宅 絵はがき7枚セット

       10000円(+システム利用料)→絵はがき7枚セット+フォトブック

■クラウドファンディング開始までの経緯

約400年前からの江戸漁師町の街並みを残す佃島(東京都中央区佃一丁目)にある旧飯田家住宅は、昨年2月に空き家となった。そこで、取り壊しを危惧する地元有志と佃島にゆかりのある学識経験者が「佃島旧飯田家住宅活用委員会」を結成。住宅の保存・活用に向けて動き出しました。芝浦工業大学の学生も、実測調査や活用方法を検討する会議に参加するとともに、クラウドファンディングの企画やデザイン、改修工事作業を行っている。今回、テナントの目処がついたことから、クラウドファンディングを開始することとなった。

■旧飯田家住宅の特徴と歴史的価値

旧飯田家住宅は、「佃喜八」「たじま」という屋号を持つ日本橋魚市場の魚問屋の併用住宅として 1920 年頃に建築されました。生け簀と井戸を配した広い土間をはじめ、漁師町らしい高密度居住の中での住まい方の工夫が随所にみられる。また、住宅の建つ敷地も江戸時代の初めに佃島の町割・屋敷地割が定められた当初の形状を保っている。

■「これまでも・これからも」地域に開かれた空間としての活用

旧飯田家住宅は、佃島住吉神社の例大祭で祭礼拠点として利用されるなど、昔から地域コミュニティの中心として位置づけられている。その役割を今後も引き継ぐため、住宅を用途混合型シェアスペースとして活用する。1階には佃島ゆかりの店舗をはじめ、レンタルスペース・シェアオフィスを設け、近隣の住民の日常的な利用や佃島のまちなみ視察の拠点としている。2階は大学生等が居住するシェアハウスとなる予定で、新たな地域コミュニティの形成が期待される。