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100年受け継がれてきた植物標本を次世代へ 東北大植物標本庫の存続に向け支援を要請、400万円を目標にクラファンに挑戦

東北大学学術資源研究公開センター(東北大植物園)は、東北大植物標本庫(津田記念館)の維持資金を得るため、9月11日に「READYFOR」でクラウドファンディングプロジェクトを公開し、400万円を第一目標に寄附募集を開始した。

ちょうど100年前の1923年に設立された東北大植物標本庫は、東北大植物園敷地内にある植物標本を収蔵している施設。植物標本は、植物の押し葉を採取時の情報とともに台紙に張り付けたもので、学術的・歴史的価値の高い資料。

同標本庫は国内外の植物標本が延べ70万点収蔵されている日本有数の植物標本庫であり、仙台市の三居沢で発見された牧野富太郎博士ゆかりの「スエコザサ」の貴重な標本も同標本庫に収蔵されている。

標本庫の運営には、空調管理や防虫対策などの既存標本の品質維持に加え、 膨大な未貼付の標本を整理し、収蔵する必要がある。現標本庫の設立と運営は、同大卒業生の津田弘氏の寄附によって賄われてきたが、寄附金が底をつき、現在運営を停止せざるを得ない状況に陥っている。

今回のクラファンは、同標本庫の維持に加え、今後の持続的な運営体制の構築費用を募るもの。同大では「先人が築き上げたこの人類共通の財産を守り、次世代に繋げるために、どうかみなさまのご支援をお願い申し上げます」と、多数のサポートを要請している。