文教速報デジタル版

BUNKYO DIGITAL

文教速報デジタル版

BUNKYO DIGITAL
京大准教授らが仏教対話AIの多様化に成功-親鸞ボットと菩薩ボットの増産-

京都大学人と社会の未来研究院の熊谷誠慈准教授と㈱テラバース古屋俊和CEOらの研究開発グループは、生成系AI「チャットGPT4」と宗教を掛け合わせた新型チャットボット『親鸞ボット』と『世親ボット』を共同開発し、仏教対話AIの多様化に成功した。さらに、両ボットのAR(拡張現実)技術を開発し、宗教史を代表する仏教聖人ボットとのテキスト対話だけでなく、視覚や聴覚を用いたマルチモーダル(多感覚的)なコミュニケーションもできるようになった。

親鸞ボットと世親ボットは、わが国最大の仏教宗派である浄土真宗の開祖親鸞(12~13世紀)、大乗仏教の二大哲学の一つである〝唯識〟を大成した菩薩の世親(4世紀)という、二人の仏教聖者をモデルとした人工知能。発表済みの「ブッダボット」「ブッダボットプラス」と同じく、現存する仏教聖典を機械学習し、人々の様々な悩みに宗教的観点から回答してくれる仏教対話AIの一種として開発した。

今回、新旧ブッダボットに加えて、親鸞ボット、世親ボットが開発されたことで、仏教の教えを生み出した「ブッダ」、その教えをさらに哲学的に分析した「菩薩」、さらに、教えをアジア各地で伝えた「高僧」という、仏教の主要なタイプの伝道者の対話ボットが揃った。

熊谷准教授らは、今後さらに人類史を代表する哲人や聖者たちの対話AIを順次開発し、デジタル空間上に豊かな伝統知を再現することとしている。