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「ダ・ヴィンチXi」2台目を導入 国立大学病院唯一となる3台での運用開始【岡山大病院】

岡山大学病院は、手術支援ロボット「ダ・ヴィンチXi」2台目を導入し、この4月から「ダ・ヴィンチ」3台での運用している。ダ・ヴィンチを3台稼働しているのは、国立大学病院では岡山大のみ。3台体制により、患者の手術待機時間を短くし、手術件数の増加に対応できる体制が整った。昨年4月の診療報酬改定で、新たに8種類のロボット手術が保険適用となっており、対象手術の一層の増加にも対応することができる。岡山大病院では、「特定機能病院として、これからもひとりでも多くの患者に質の高い先進的かつ高度な医療を提供できるよう努める」と意気込みを示している。

□手術台から離れた場所から操作

手術支援ロボット「ダ・ヴィンチ」は複雑で緻密な動きができるアームと高性能カメラが付いたロボット。体の表面に開けた小さな穴からカメラを入れ、映像を確認しながらロボットの手を動かす内視鏡手術の一つ。執刀医は手術台から離れた作業台に映る3D画像を見ながら、アームの先端に取り付けられた鉗子を操作して、がんなどの患部を切除する。

現在日本で使用されているダ・ヴィンチには、SiタイプとXi(X)タイプがある。このうち最新型はXiタイプで、Siタイプに比べるとロボットアームがスリムになるなどの改良が加えられ、より自由度が高い手術を実施することができる。また、特殊なカメラ(蛍光カメラ)が装備されたため、ICG(インドシアニングリーン)という薬剤を用いて、血流の評価やリンパ節郭清(リンパ節を取り除く手術)の精度を上げることが可能となっている

□診療報酬改定でロボット手術の保険適用対象拡大

岡山大病院では、患者の体への負担が少ない内視鏡手術の利点を向上させるため、2010年に手術支援ロボット「ダ・ヴィンチ」を導入。以来、これまでに泌尿器科、消化菅外科、呼吸器外科、産科婦人科領域で約2600件のダ・ヴィンチ支援下内視鏡手術を行ってきた。これは、中国四国地方でトップの実績になる(岡山大病院調べ)。

この実績を背景に、今回、2台目となる「ダ・ヴィンチ Xi」を導入した。今回の導入により、当院の手術支援ロボットの保有台数は、「ダ・ヴィンチXi」2台、「ダ・ヴィンチSi」1台となり、ダ・ヴィンチ3台を稼働している施設は、同病院の調べによると、国立大学病院の中では岡山大病院が唯一となる。

ダ・ヴィンチ保有台数が3台となることにより、患者の手術待機期間を短くし、大幅な手術件数の増加に対応できる体制を整えることができた。また、昨年4月の診療報酬改定で、ロボット支援下内視鏡手術の保険適用対象部位が拡大し、従来の前立腺がん、膀胱がん、縦隔腫瘍、肺がん、食道がん、胃がん、直腸がん、すい臓がん、子宮体がんに加えて、喉頭・咽頭悪性腫瘍、総胆管拡張症、肝がん、結腸がん、腎がん、尿管がん、副腎腫瘍が対象となった。