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ペットとヒトのかかわりをマイクロバイオームの観点で解明 麻布大教授が企業と共同研究

麻布大学(本部:神奈川県相模原市)獣医学部動物応用科学科・介在動物学研究室の菊水健史教授は、㈱BIOTAと「環境・動物・ヒト社会における細菌叢の解析」に関する共同研究を開始する。

この共同研究によって、ペットとヒトとの関わりをマイクロバイオームの観点で解き明かし、その共生関係に新たな価値を見出すことができると期待される。また、ペットによってヒトの免疫を向上させ疾患リスクを低減させるなど、ヒトの心身の健康と細菌叢の関係解明の糸口が見つかれば、公衆衛生等の観点で社会課題の解決にも繋がる可能性があるという。

<研究開始の背景>

麻布大学介在動物学研究室では、動物の腸内細菌叢と社会行動の関係を調べてきた。例えばマウスの社会性に細菌叢が関わることや認知脳に関わることを見出してきた。現在、科学研究費補助金で、東京ティーンコホート研究に参加し、イヌの飼育児童のウェルビーイングの向上と細菌叢の関連の解析を開始し、ヒトの心身の健康と細菌叢の関係の解明に取り組んでいる。

BIOTAではこれまでに住居やオフィスなどの様々な建造環境でのマイクロバイオームがヒトの健康に与える影響の大きさを研究によって見出してきた。建造環境のマイクロバイオームの構成要素や変動要因は複雑で、さまざまな環境要因に依存することがわかっている。

また、建造環境内で飼育されている犬猫などのペットに存在する常在菌も建造環境のマイクロバイオームの重要な構成要素となっている。さらにペットとヒトとが建造環境内で共生することで、ペットからヒトへの直接・間接的な常在菌の移動が生じ、ヒトの免疫発達を促進している可能性もいくつかの研究で示唆されてきた。

<研究の概要>

共同研究では建造環境におけるヒトとペットにおける微生物相互作用と健康への影響を調べることを目的に、ペット・ヒト間での直接的な微生物の移動と共有、建造環境を通じた間接的な微生物の移動と共有を調査する。また、移動・共有された微生物群がヒトにどのような効果をもたらすか、全ゲノムシーケンスや比較ゲノム解析、培養法による表現型の確認試験によって探索する。