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まだあまり知られていない子どもの「お口ポカン」等を楽しく意識付け 阪大等が9月3日にイベント

大阪大学大学院歯学研究科は産学連携・社会貢献等を担うイノベーティブ・デンティストリー推進センターを中心に、吹田市と健都共創フォーラム・オーラルヘルス研究会と共同主催(後援:吹田市歯科医師会、民間企業5社)で、公的な医療保険では「口腔(こうくう)機能発達不全症」といわれる国民にまだまだ知られていない病気を〝楽しく意識付けする〟イベントを、9月3日午前9時30分から万博記念公園お祭り広場 テント#24で開催する。

子どもの口が閉じていない「お口ポカン」は「口唇閉鎖不全症」といわれ、約30%がかかっている。そんな「お口ポカン」は気づきにくく、放置すると知らないうちにさまざまな病的状態に悪化するといわれている。しかし、保護者の約70%が「知らない」「病気になる可能性を知らなかった」と答えている。

食べる、話す等の子どもの口の機能が、十分に発達していない状態または正常な機能が獲得出来ていない状態を「口腔機能発達不全症」と言うが、お口ポカンを含めて「口腔機能発達不全症」は日本国民に認知度の低い病気。

このようにあまり知られていない「口腔機能発達不全症」を、少しでも多くの人に楽しく意識してもらうために、9月3日㈰に開催される「すいたフェスタ2023」で、小学生から高校生までの約600人を対象に、「子ども・健口スタンプラリー」と銘打った体感型イベントを開催する。①パパパパ発音テスト、②お口ひっぱりテスト、③もぐもぐガムテスト―の三つのスタンプラリーが行われる。

■「口腔機能発達不全症」:乳幼児期・学齢期は「食べる」「話す」等の口の機能常に発達している過程にあり、正常な状態は変化するが、機能の発達が遅れていたり誤った機能の獲得があれば、早い段階で修正・回復を行うことが重要。そういった口の機能が十分に発達していない、または正常に機能獲得ができていない状態を改善する目的で、2018年から公的な医療保険で、「口腔機能発達不全症」の病名が新設された。

しかしながら、そんな「お口ポカン」に代表される「口腔機能発達不全症」はまだあまり認知されておらず、「まぁそのうち治るだろう」といって放置されていることも少なくない。その結果、口が乾燥して「むし歯」や「口臭の原因」となったり、また口を開け続けることで「出っ歯」になったり、さらには筋肉が発達せず噛む力が弱くなったりする。

長い目でみても、加齢による口腔機能の衰え、いわゆる「オーラルフレイル」の予防を考えると、子どものうちに「口腔機能発達不全症」に対処して口の機能を底上げすることが重要だといわれている。