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木原記念財団学術賞に理研のトーマス・マックヒュー氏 記憶を調節する神経の発表など評価

木原記念横浜生命科学振興財団は、第32回木原記念財団学術賞の受賞者を理化学研究所のトーマス・マックヒュー氏に決定した。記憶の保存や想起に関わる仕組みや記憶を調節する神経回路など精力的な業績発表は他に類をみないという。

財団は授賞理由について、システムレベルの記憶研究に脳領域や細胞種特異的な遺伝子改変マウスの導入を指摘。神経科学研究の先駆けとなる下地を作った功績を紹介した。加えて、本能的な脳領域だと信じられてきた視床下部の一部で、文脈依存的な「新奇性」と社会的な「新奇性」が認識され、海馬の別領域に伝えられるという発見などを挙げている。

財団は「未だ不明な点が多い記憶研究において、マックヒュー氏の精力的な研究がこれまで果たした役割は大きい」とし「日本からの研究発信という意味でも卓越した貢献を果たしており第32回木原記念財団学術賞の授賞に相応しい」と説明している。