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“水のノーベル賞” ストックホルム水大賞に東大教授が受賞 日本人受賞は23年ぶり3人目

東京大学の沖 大幹教授が水のノーベル賞とも称される世界で最も権威のある水関連の賞「ストックホルム水大賞」の2024年受賞者に選ばれた。日本人の受賞は23年ぶり3人目。8月にストックホルムで授賞式が行われる予定となっている。

ストックホルム水大賞には学術だけでなく政策や業績なども含まれるため、対象者は世界トップの科学者や官僚、ジャーナリストなど多岐にわたる。ストックホルム国際水研究所が選定し、スウェーデン国王カール16世グスタフ国王より授与される。

東大によると、沖教授は世界の水の供給と需要の現状と気候や社会の変化の下での将来予測推定を可能にし、水の持続可能な管理に向けた国際社会の取り組みを促進した。こうした業績が評価され、指名されたという。

具体的には、水管理と気候変動における重要な変数である「総貯水量」に光を当てた。特に、世界の主要河川のデジタルマッピング「TRIP」は、河川流量を従来よりもとても正確に定量化。土地管理や気候シナリオのもとで必要な土壌水分を明らかにした。

日本人の受賞は、建設省で日本の下水道の普及に尽力した久保赳氏、水処理研究で高名な米カリフォルニア大学の浅野孝名誉教授以来となる。8月に王室で授賞式と記念講演が行われる。

沖教授は「多少面識のある歴代の受賞者の皆様の顔ぶれを改めて拝見するとまさに圧倒される」と述べ「受賞を機に世界の水資源の持続可能な利用と保護に資する教育研究にさらに邁進したい」と意気込んだ。