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直径9マイクロメートルのドット印刷 千葉大・北大・大阪公大・阪大研究Gが成功 次世代プリンタ技術を確立 

千葉大学など4大学の共同研究グループは、金ナノ微粒子が分散する懸濁液(金ナノインク)に光渦を照射することで、従来のインクジェット技術の限界を凌駕する最小直径9マイクロメートルのドットが印刷できることを実証した。次世代プリンタ技術として量産などへの発展が期待されている。

レーザー誘起前方転写法(LIFT)は次世代の印刷手法として期待されているが、ドナー物質の液滴が吐出される方向を制御することは原理的に不可能であった。これを克服するため研究チームは特殊なレーザーを用いた「光渦LIFT」を考案。これによりどのような印刷が可能になるか検証した。

その結果、金属ナノ微粒子が密に充填された均質性の高いドットが印刷できた。この現象は、使われた液滴が光渦の軌道角運動量によって自転運動すること、光渦照射によってできたキャビテーションバブルの収縮に伴って、収縮圧力が液滴に働くことから説明できる。印刷されたドットは、熱処理しなくても十分高い電気伝導を示す。

一方、ガウシアンビームを用いた従来のLIFTで転写されたドットはいびつでドット中のナノ微粒子も不均一に分布した。また、ドット径も光渦の結果と比較して大きく、周辺に余分なインクや粉末が散乱していた。このことは、光渦のトルクがインク液滴の自転運動を促したことで金ナノ微粒子の充填を促進したことを示唆している。

さらに、印刷したドットの位置精度を評価。光渦LIFTはガウシアンビームを用いた通常のLIFTよりも半分以下の距離差となり、高い位置精度で印刷できることが判明している。結果、金ナノインクの文字パターニングが可能になっている。

研究グループは「研究で提供する光渦LIFTは、次世代プリンタブルエレクトロニクス・フォトニクスの基盤技術へと発展することが期待できる」としている。