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神経活動に基づく全脳シミュレーションが可能に 東大研究Gが新たな数理解析法と神経活動予測モデルを開発 世界初 

東京大学の豊島有准教授らからなる研究グループは、新たな数理解析手法「TDE-RICA」などを生み出して全脳神経活動に基づいた全脳シミュレーションを世界で初めて可能にした。日本時間16日付のオープンアクセス誌で公表している。

脳や神経の情報処理の仕組みはよく分かっていない。研究では、神経細胞の数が比較的少ない線虫「C.エレガンス」に注目。神経回路がどのように演算、情報を処理しているのか明らかにすることを目指した。

研究では新たな解析手法のTDE-RICAを開発。他の個体の全脳活動時系列を参照することで、同定できなかった神経細胞の活動を補完しつつ、個体間に共通する神経活動モチーフを抽出することに成功した。

さらに神経活動を予測する「gKDR-GMM」を発明。神経細胞間の接続の強さの推定を可能とし、全脳シミュレーションを完遂している。

豊島准教授らは「研究で開発した手法や得られた知見は、実際の神経回路が外界の情報を処理する仕組みを理解するための基盤的なツールとして役立つ」と評している。