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原発性アルドステロン症の最新測定法「CLEAR法」 東北大客員教授らが従来法よりも正確に測定 両法の乖離は約8割

東北大学の佐藤文俊客員教授らの研究グループは、血圧ホルモン「アルドステロン」の最新測定法(CLEIA法)の精度を検証し、CLEIA法が従来法(RIA 法)よりも正確にアルドステロンを計測でき、両者の乖離は77%に上ることを明らかにした。

原発性アルドステロン症(PA)は、一般的な高血圧と比較して、心臓病や脳卒中の危険性が2~4倍ほど大きい高血圧疾患だ。現在まで、PAと診断されるべき症例が適切に診断されているかどうかは定かでなく、CLEIA法とRIA法のアルドステロン測定系の差異の詳細な検討や現在の診断基準のPA精度の検証が望まれていた。

研究グループは、アルドステロンの測定法であるCLEIA法とRIA法のアルドステロン測定値の差を検討した。

その結果、CLEIA法は、RIA法と比較して正確にアルドステロンを測定でき、標準アルドステロン濃度との比較でRIA法では72~80%の測定値の違いがみられたのに対し、CLEIA法では0.3~2.4%に留まった。

また、RIA法でPAと判断された患者が、CLEIA法の診断基準でどのように判定されるかを確認した。すると、PAと診断される間患者の6人に1人が、現在の診断基準では見逃されていたことが分かった。

佐藤教授らは「今回の研究結果を診療に活かすことで、より多くの原発性アルドステロン症の患者が適切な診断、治療を受け、心血管病がなく元気な生活を送れるようになる」と評価している。