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加熱式たばこの長期利用は脳に影響を与えるか? アルツハイマーモデルマウスで検証 広島大

広島大学の研究チームは加熱式たばこが、アルツハイマー病を模倣したモデルマウスの脳内に影響を与えたと発表した。興奮などに関するホルモンに作用しており、アルツハイマー病だから影響が発生しているのかなど、多様な角度から分析する必要性を指摘している。

加熱式たばこ製品は、従来の紙巻きたばこ製品に代わる新たな選択肢。だが、その生体に対する影響、加熱式たばこの長期使用が脳へ与える影響については、ほとんど分かっていない。そこで、アルツハイマー病の前駆期を模倣したマウスを用いて、加熱式たばこの長期使用が脳へ与える影響を検証した。

その結果、アルツハイマー病の前駆期モデルマウスの脳内において、加熱式たばこばく露により、非炎症性経路を介した影響が生じている可能性が明らかになった。興奮の伝達や抑制に関わる「神経ペプチドホルモン」の活性に関連する遺伝子などに影響があったという。

研究チームは「加熱式たばこ製品の使用にともなう複合化学物質の摂取が、生体にどのような影響を与えるのかについては、さまざまな角度から評価が必要」と指摘。今後について、「アルツハイマー病の脳内のみに見られる現象なのかを明らかにする」としている。