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Gたんぱく質共役受容体が体温の慣れに関わる 甲南大研究Gが発見 体温調節を示す初ケース

甲南大学と自然科学研究機構、生理学研究所の研究チームは、Gたんぱく質共役受容体(GPCR)が神経細胞で温度感知に関わり、体温への慣れに関係することを線虫の解析から明らかにした。温度受容に関わるGPCRが、体の温度適応を調節することを示す初のケース。

チームは実験動物である線虫「C. エレガンス」の温度への慣れを解析してきた。線虫の温度順化において、温度センサーとして機能するGPCRの探索を実施。約1000個のGPCRから慣れに関わるGPCRを探索した。その中からセンサー候補のGPCR「SRH-40」を見つけている。

見つかったSRH-40を欠損した線虫においては、温度への慣れに異常が見られ、頭部の温度受容ニューロンの温度への反応が低下していた。SRH-40を味覚ニューロンに導入したところ、そのニューロンが温度に反応するようになった。

同様に、SRH-40をショウジョウバエの培養細胞に導入したところ、温度への反応が確認された。

研究チームは「感覚の分子機構は人から線虫まで保存されていることから、人を含む動物の温度受容機構の理解や人の温度関連の疾患の原因解明につながるのではないか」とコメントしている。