文教速報デジタル版

BUNKYO DIGITAL

文教速報デジタル版

BUNKYO DIGITAL
有害細菌を複数同時検出 大阪公立大教授らが標識開発 食品や医薬品の安全確保に貢献

大阪公立大学の椎木弘教授らのグループは、金ナノ粒子複合体に腸管出血性大腸菌(O26)、銅ナノ粒子複合体に黄色ブドウ球菌の抗体を導入した検査標識を開発した。これを試料に混ぜ、電気を流すことで、得られた電気信号から細菌の種類と量を検出できる手法を生み出した。

病原性大腸菌や黄色ブドウ球菌などの有害微生物は、集団食中毒などの原因になる。だが、これらの検出には時間がかかる。危害要因を早期特定し、被害の拡散を抑制するためには、多菌種を迅速に検査できる手法の開発が求められている。

研究では金ナノ粒子複合体にO26、銅ナノ粒子複合体に黄色ブドウ球菌の抗体を導入した検査標識を開発した。これに電気を流すと、標識内の金属が電気信号を出し、ピーク電位と電流の大きさから細菌の種類と菌数を計測することができる。

検証のため、標識を腐敗させた肉汁に混ぜ、ポータブルセンサーと使い捨てプリント電極を用いた装置により検査したところ、O26と黄色ブドウ球菌を1時間以内に発見することに成功した。また、センサーをスマートフォンのアプリと連動することで、細菌汚染レベルを瞬時に確認することも可能となった。

椎木教授らは「食品や医薬品の出荷前に有害細菌の有無を迅速に判断できるため、製造現

場における安全の迅速な確保が可能となる」と説明。「将来的には、新たなNH(有機-金属ナノハイブリッド)の開発により、さらに多くの菌種の同時検出を目指す」としている。