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難病TGTVの脂肪蓄積との相関 厚労省研究班が確認 病態の根幹は分解障害

大阪大学大学院医学系研究科の平野賢一特任教授(常勤)が代表研究者を務める厚生労働省研究班などは、希少難病「中性脂肪蓄積心筋血管症(TGCV)」の研究を実施して脂肪蓄積量との相関や病態の根幹がTG分解障害であることなどを突き止めた。

TGTVは細胞内の中性脂肪(TG)分解が障害される結果、難治性心不全、びまん性冠動脈疾患、心室性不整脈などを呈する循環器病の仮面をかぶった代謝病。厚生労働省の調査によると、累積診断数は2月現在で814例にのぼっている。

研究チームは今回、病理標本による解析を行ったところ、脂肪酸代謝シンチグラフィBMIPPの洗い出し率が心筋生検標本を用いた脂肪蓄積量と相関すること、TGCVの病態の根幹は細胞内TG分解障害でありその経路は多様であることが明らかにしている。

チームは「TGCVの予後は代表的指定難病である拡張型心筋症のそれと同等であり本症の早期の指定難病化、治療法開発加速のために産患官学のより一層の連携、医学研究における市民参画の取り組みの促進が必要だ」と訴えている。