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「バセドウ病のヨウ素内用療法で制限は重要でない」名大研究Gが可能性を発見

名古屋大学の加藤克彦教授らの研究チームは北光記念病院との共同研究で、自己免疫疾患「バセドウ病」に対してヨウ素の入ったカプセルを飲んで治療する「¹³¹I放射性ヨウ素内用療法」時のヨウ素制限が重要でない可能性があることを新たに発見した。

チームは愛知県と北海道のバセドウ病患者185人を対象に研究を行った。

抗甲状腺薬またはヨウ化カリウムによる前治療に基づき「愛知県の抗甲状腺剤だけを投与されたグループ」「愛知県の抗甲状腺剤とヨウ化カリウムを投与されたグループ」「北海道の抗甲状腺剤だけを投与されたグループ」「北海道の抗甲状腺剤とヨウ化カリウムを投与されたグループ」に分けた。

そして、ヨウ素内用療法前のヨウ素制限の期間、24時間ヨウ素摂取率、尿中ヨウ素濃度とヨウ素内用療法の成功率の関連を調べた。

結果、ヨウ素制限により尿中ヨウ素濃度の減少が達成されたが、治療時の尿中ヨウ素濃度と成功率の関連はなかった。 バセドウ病に対してヨウ素内用療法を施行する場合、治療前のヨウ素制限では厳格な制約は必要でない可能性があると示唆している。