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自分の顔で動作をイメージすることで運動学習が促進? 信大など6大学が調査 リハビリ患者や児童の運動能力向上に寄与

信州大学など6大学からなる研究グループは動作観察と運動イメージを合わせて学習する際に、顔変換システムを用いて熟練者の顔を観察者に変換して動作をみながらイメージすることで、大脳の興奮性が増加することを発見した。リハビリテーション患者の運動学習促進や児童の運動能力向上にも応用できる。

研究では被験者12人に易、難課題で熟練者と変換像の動作を観察して運動イメージを行った。その際に大脳の興奮性を評価した。

その結果、易課題に大脳の興奮性は、熟練者と変換像観察時において差はなかった。だが、難課題では変換像観察時の方が熟練者観察時よりも興奮性は大きくなった。難しい動作を習得する際には変換像の本人との類似性によって運動に関連する大脳神経細胞群の活動をより高め、運動学習を促進させる可能性が示唆されている。

研究グループは今後について「本人に精巧に似せられたディープフェイク映像が世間をネガティブな方向に賑やかす様に人工知能(AI)を応用した画像編集技術が発達しているが、研究手法とAIやVR(仮想現実)との組み合わせにより老若男女問わず運動動作の向上を可能にする提案も可能になる」と紹介している。

この研究は信州大をはじめ、早稲田大、東洋大、順天堂大、鹿屋体育大、奈良先端科学技術大学院大の6大学が共同研究グループにより行われた。