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単分子磁石を深層学習で見つけ出す 理科大研究Gが2万件のデータから D駆動型の材料設計の有効性を示唆

東京理科大学の秋津貴城教授らの研究グループは、金属錯体の結晶構造の3次元座標から構造的特徴を3次元画像として学習する方法を考案。約2万件のデータから単分子磁石を7割の精度で見つけだすことに成功した。結晶構造データベースをもとに、深層学習による予測が可能であることを示した成果となる。

単分子磁石は1個の分子が磁石のようにふるまう物質を指し、高密度な次世代磁気メモリの実現に大きく寄与する物質として注目されている。先行研究から、単分子磁石の磁気特性と結晶構造の関連性が示唆されてきた。だが、個別の物質の研究結果の解釈として提案されたもので、結晶構造から磁気特性を予測することはされてこなかった。

研究グループは、結晶構造データベースから金属サレン型単分子磁石を抽出し、深層学習を用いて、単分子磁石として機能する3次元構造の特性を調べた。研究では、過去10年間のサレン型単分子磁石の論文から作成したデータを用いた深層学習モデルを作った。

これを用いることで、分子構造のみから単分子磁石特性を示すかどうかを約70%と高い精度で予測することができた。秋津教授らは「この結果は、複雑な構造を持つ単分子磁石分野でも、データ駆動型の材料設計の有用性であることを示唆する重要な成果だ」としている。