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DNA-たんぱく質間共有結合パッチ 農工大が国際共同開発 たんぱく質複合体の応用を加速

東京農工大学とノースカロライナ大学チャペルヒル校は、生体高分子であるDNAとたんぱく質を1対1で不可逆的に複合体化させるツール「DNA-たんぱく質間共有結合パッチ (D-Pclip) 」を開発した。診断や治療薬などの分野で役立つDNA-たんぱく質複合体の応用を加速させることが期待されます。

研究チームは結合効率が9割を超えるDNA共有結合たんぱく質「UdgX」を選抜した。次にたんぱく質間連結モジュール「SpyTag/SpyCatcherシステム」と組み合わせてD-Pclipを開発した。

有用性を示すため、DNAアプタマー-酵素複合体をDNA-たんぱく質複合体のモデルとして作製した。具体的には、疾患マーカーのひとつであるヒトヘモグロビン (Hb) をDNAアプタマーで認識し、グルコースオキシダーゼ(GOx)による化学発光での検出を目指した。

作製したDNAアプタマー-GOx複合体を用いてHbを検出した結果、血清中いずれにおいても6.3-50nMの範囲で高い直線性が確認され、臨床的に求められる検出範囲を測定可能であることを示唆している。

研究チームは「診断技術への応用や、細胞特異的なDNAの送達を目的とした医薬品への応用が可能となる」と評している。