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ヒドロシランを用いた室温での還元的Heck反応 広島大助教らが実現 薬品は入手容易で実験から工業まで幅広く活用可能

広島大学の白井孝宏助教らは、室温条件下で還元剤「ヒドロシラン」を用いてパラジウム触媒による不活性アルケンの還元的Heck反応の開発に成功した。これに用いる薬品は安価で入手も容易であるため、幅広く活用されそうだ。

研究グループでは、ヒドロシランの高い反応性を制御することができれば、室温条件下の還元的Heck反応が実現可能になると考えてその適用方法を検討した。

初期条件では、副反応の競合が激しく還元的Heck反応の進行は僅かであったが、ヒドロシランの滴下方法を工夫することで副反応を抑えることに成功し、23度の室温条件下による還元的Heck反応を実現した。

この反応系は、高い反応温度が必要である従来法と比較しても反応性に遜色なく、また高い官能基許容性を有している。また、用いる各試薬は入手容易であるため、実用性は高く実験室から工業的レベルまで幅広く利用されることが期待できる。

研究グループは「研究は還元的Heck反応に必要なエネルギーの低減だけでなく、産業廃棄物にも分類されるヒドロシランを有効利用できる特徴を有することから、SDGsへの貢献できる」としている。