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細胞内の多階層ネットワークの可視化技術 理研TLらが開発 回路図の自動生成でデータ駆動型研究に貢献

理化学研究所の柚木克之チームリーダーらの研究チームは、細胞内の生体分子の大規模な相互作用ネットワークである多階層ネットワークを、人間が解釈しやすい形で自動的に可視化するソフトウェア「transomics2cytoscape」を開発した。19日付の科学雑誌に掲載されている。

細胞や組織で発現する分子を計測するオミクス研究が行われている。これにより、生体分子の相互作用網を調べることができるが、ネットワークの可視化技術は属人的な手作業に依存しており、多大な時間と労力がかかるという課題があった。

研究チームは、過去に発表されたオミクス研究のデータセットからその可視化のワークフローを一般化し、オープンなソフトウェアとして無償公開した。これにより、これまでは多大な負担と時間を要し、再現も困難だった多階層ネットワークの可視化を全自動で実施できる。

柚木チームリーダーらは「従来のトランスオミクス研究ではプロジェクトごとに1回が限度であった多階層ネットワークの可視化を反復して行えるようになり、解析中のデータからの知識抽出に活用できる」と評している。