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下水中新型コロナの時期分離試薬を開発 山梨大が企業などと共同開発

山梨大学と化学品などを扱う「JNC」、国際流域環境研究センターは下水疫学調査用磁性ナノ粒子「Pegcision®キット」を共同で開発した。

新型コロナウイルスの感染法上の分類が令和5年5月8日から、季節性インフルエンザと同じ「5類」に引き下げられた。患者の発生動向等の把握については、感染症法に基づく定点医療 機関による新規感染者数の報告が基本となるが、これに加えて、血清疫学調査(抗体保有率調査)や下水疫学調査等を含め、重層的な確認を行う必要がある。

山梨大によると、この製品は下水中に存在する新型コロナウイルス遺伝子の濃縮試薬として煩雑な前処理作業を省力化することが可能であるという。下水試料の減容化に寄与し、サンプルバンク用試薬としても利用可能としている。

また、公益社団法人日本水環境学会COVID-19タスクフォース「下水中の新型コロナウイルス遺伝子検出マニュアル」で推奨されている、ポリエチレングリコール(PEG)沈殿法と同等以上であることが確認された。

三者は「今後も、下水疫学調査普及につながるよう、引き続き技術開発を進めていく」と意気込んでいる。