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外来マスによるイワナの生態への影響とは? 筑波大など3団体が調査 減少につながっている可能性指摘

筑波大学と長野県環境保全研究所、水産研究・教育機構のチームは、長野県に生息する外来マス「ブラウントラウト」「カワマス」と国産の「イワナ」の競合関係を調べた。生態がイワナの減少につながっている可能性を指摘している。

ブラウントラウトやカワマスは梓川(長野県松本市)周辺で多く生息しており、大正~昭和初期に放流されて定着したという歴史がある。一方で、川にはイワナの姿はほとんどなく、外来マスの影響が大きいとされてきたが証明する活動はしてこなかった。

研究ではこれら3種の関係を梓川を含む明神池の支流6本で魚類291匹の環境利用と摂餌行動を水中観察で調査。魚種別ではブラウントラウト130匹、カワマス141匹、イワナ20匹であった。

それによると、カワマスとイワナは川底で餌をとり、ブラウントラウトは中層で捕食していた。対象はイワナとカワマスはトビゲラやカワゲラが主で、ブラウントラウトはカメムシやチョウが多い。大型からはイワナも胃の中から出現した。

研究からカワマスとイワナは食性が重なり、ブラウントラウトには食べられてしまうことから影響を及ぼしていることは明らかであった。

研究チームは「研究の結果は、上⾼地の多くの沢で在来イワナが減少した要因として、外来マス類との競争や捕⾷が関与している」と説明。「上⾼地は国内有数の⼭岳観光地であり、国⽴公園の特別保護地区にもなっていることから、在来種イワナの絶滅を防ぐ対策が求められる」と訴えている。

(a) 上⾼地の⽀流で⽣息している外来マス類、 (b)全⻑ 40cm
程度の⼤型ブラウントラウト