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巨大球状コンクリ―ションから約1000万年前の有機物 ラマン分析で 関西学院大研究Gが世界発発見

関西学院大学の壷井基裕教授らのグループは、巨大球状コンクリーションの起源となった有機物が残存していることを発見した。世界で初だという。これは、巨大コンクリーションが生物有機物起源である直接的な証拠だという。

球状コンクリーションは、地層の中に時折認められる硬い球状の塊。その中には良好な化石が含まれている。成因は化石の元となった生物起源の炭素と海水中のカルシウムイオンによると考えられており、形成スピードは数週間から数カ月とされる。

研究では愛知県に分布する中新世師崎層群の地層に含まれる直径1.7メートルの巨大球状コンクリーションについて、ラマンイメージングと多変量スペクトル分解法(MCR)、古典的最小二乗法(CLS)を駆使して分析を行い、構成する物質を同定した。さらに、起源となった生物の有機物が残存していることを発見した。

これは、巨大コンクリーションが生物有機物起源であることの直接的な証拠となる。つまり、コンクリーションは有機物が分解されるよりも速く形成したと考えられ、形作られる速度が非常に速いという新学説を裏付ける重要な結果だ。