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骨の再生・回復に働く物質「EM-523」 新潟大と北里大研究Gが発見 骨粗しょう症などの治療薬開発に貢献

新潟⼤学と北⾥⼤学の研究グループは、⽶ペンシルベニア⼤学などと国際共同研究を実施。マクロライド系抗菌薬から合成した⾮抗菌性誘導体「EM-523」が、⾻の再⽣に働くことを⻭周病と⾻粗しょう症の⽼齢動物モデル実験で明らかにした。骨関連疾患の治療薬開発につながりそうだ。

研究グループは骨の吸収や破壊に重要な役割を果たす「DEL-1」 が、⽼化に伴い減少することで⾻の再⽣能⼒が低下することに着⽬。それを再誘導し⾻が再⽣できないかと考えた。

研究ではマウスを用いて実験を行った。老化で減少したマウスのDEL-1を上昇させることで骨の再生を誘導していることが予想された。また、マクロライド系抗菌薬「エリスロマイシン」を投与すると腓⾻の⾻量が増加した。

だが、マクロライド系抗菌薬の長期投与は耐性菌の出現が危惧される。そのため、抗菌作用を除去し、DEL-1誘導効果を高めたエリスロマイシン誘導体「EM-523」を使用した。これを投与することでエリスロマイシンよりも強力にDEL-1が回復した。

研究グループは「これら薬剤は、⽼齢マウスのみならず⽼齢サルの⾻においても⾻再⽣効果みられていることから、今後の人への薬剤展開が期待される」としている。