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年をとるとなぜ記憶力が低下するのか? 立教大特定教授らが調査 原因はAMKの激減 

立教大学の服部淳彦特任教授らは、関西医科大学の岩下洸助教と共同研究を行った。老齢になると記憶力が低下する原因の1つが、短期記憶から長期記憶への記憶の固定に関与する物質「AMK」の海馬における激減にあることを初めて発見した。

研究グループは松果体や血漿、メラトニンなどと海馬の量を比較。老齢になるとAMKが若者の20分の1以下になること、AMKの合成にかかわる酵素の遺伝子の発現が減少することを突き止めた。

老齢マウスと若いマウスの海馬で発言している遺伝子を分析した結果、老齢になると長期記憶形成に関与する遺伝子の低下を認めている。

服部教授らは「人においても老齢になると海馬におけるAMK量が低下し、そのことに

より記憶力の低下が引き起こされている可能性が考えられる」と指摘。「AMKあるいはAMKを基盤とした新薬の開発は、加齢性の記憶障害や認知症の前段階とされる軽度認知障害(MCI)における記憶力改善薬として期待される」とコメントしている。