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「制御法」「マインドフルネス」が有効 東大研究Gが不眠症の認知行動療法解析 世界で初めて要素ごとに推定

東京大学の古川由己特任臨床医らの研究グループは、論文をまとめた「系統的レビュー」と統計解析手法「要素ネットワークメタアナリシス」を実施。不眠症の認知行動療法の有効な要素を明らかにしたと18日に発表した。要素ごとの推定は世界初。米標準時で17日付の米医学誌に掲載されている。

不眠症に対して認知行動療法が有効であると先行研究で実証されたが、どの要素が有効なのかは知られていなかった。グループは認知行動療法全体だけでなく要素ごとの有効性を検証。その結果、睡眠制限法、刺激統制法、認知再構成、第3世代の手法(マインドフルネスなど)、対面提供が有効と突き止めた。

一方で、臨床現場でよく用いられている睡眠衛生指導やリラクゼーションの有効性は示されなかった。

古川特任臨床医らは「この成果は今後、有効性の高い要素を含み、有効性の低い要素を省略した、効果的かつ効率的なプログラムの開発につながる」と評価。「不眠症の認知行動療法の今後の普及を促進し、多くの方が悩む不眠症の改善につながることが期待される」としている。