大阪大学の硲田捷将大学院生などの研究グループは、カルボン酸を医薬品などに使われる「アルキルアミン」へと変換する還元的アミノ化反応に高い活性を示す担持金属ナノ粒子触媒の開発に成功した。世界で初めてカルボン酸の還元的アミノ化を常圧水素下で成功したという。安全かつ省エネルギーで製造するプロセスの構築などにつながりうそうだ。

アルキルアミン合成は、数十～数百気圧の高圧水素や数百度の高温といった厳しい反応条件下で行われており、多大なエネルギーを消費や危険を伴うといった問題を抱えている。温和な条件下でカルボン酸の還元的アミノ化を促進する高活性触媒の開発が望まれていた。

研究グループは、約２．３ナノメートルの白金ナノ粒子とモリブデン酸化物を酸化アルミニウム上に付着した固体触媒が、温和な反応条件下でさまざまなカルボン酸とアミンの組み合わせからアルキルアミンへ変換できることを見いだした。

研究グループは「医薬品や界面活性剤等として重要なアルキルアミンを安全かつ省エネル

ギーで製造する環境調和型化学プロセスの構築、さらに再生可能資源を有効利用する循環型低炭素社会の実現につながる」とコメントした。