文教速報デジタル版

BUNKYO DIGITAL

文教速報デジタル版

BUNKYO DIGITAL
アデリーペンギンが群れを維持するために協力!? 極地研と総研大が明らかに

国立極地研究所と総合研究大学院大学は、南極に生息するアデリーペンギンが休息のタイミングなどを互いに調節することで群れを維持していることを明らかにした。群れの機能を考える上で重要な知見になるという。

近年、生物に電子端末を装着してその生態を観察する「バイオロギング手法」で固体を追跡できるようになった。だが、群れを維持するための相互作用の研究は進んでいない。研究チームはアデリーペンギンの群れの行動を記録した。

研究では抱卵期のペンギンにGPSなどを取り付け、営巣地から約40キロ離れた海氷縁まで移動する間の14個体から記録を取得。そのうち3グループにいた7個体を追跡した。

それによると、同じ集団のペンギンは移動中、平均17時間にわたって互いに速度をあわせて行動し続けた。それには、同じタイミングで休息する意図があると推測されている。また、グループの先頭に立つペンギンは頻繁に入れ替わっており、皆で行動を調節することで群れを維持していることが分かった。

研究グループは「このような群れの維持の仕組みは⼀部の個体がリーダーになる霊⻑類の群れとは顕著に異なっており、ペンギンの群れがゆるやかな個体間の関係によって形成されていることを⽰唆する点で重要だ」と説明している。

アデリーペンギン