文教速報デジタル版

BUNKYO DIGITAL

文教速報デジタル版

BUNKYO DIGITAL
籠目状の格子をもつ金属でループ電流状態が実現する熱力学的証拠を発見 京大×東大×名大

京都大学と東京大学、名古屋大学の研究グループは4日、共同で籠目(かごめ)状の格子をもつ金属においてループ電流状態が実現している熱力学的証拠を発見したと発表した。英国科学誌「ネイチャーフィジクス」に掲載されている。

研究グループは、超高精度で物質の磁気的性質を調べることができる磁気トルク測定を行った。その結果、電荷密度波転移温度 (TCDW=94ケルビン)よりも高い温度(T=130ケルビン)から結晶の回転対称性が低下し、本来は非磁性である結晶がわずかながら磁性を示す新しい相が出現することを発見した。

さらに、この新しい相はゼロ磁場でも出現していることを明らかにした。これはスピンによる磁性がない物質で磁性が自発的に現れることを示しており、ループ電流状態の強い熱力学的証拠となる。

研究グループは「ループ電流状態は、スピンに依存せずに磁性が発現する新奇メカニズムとして長らく考えられてきた特異な状態が現実に存在することを解明したものであり、新奇物性を探索する非常に興味深い可能性が広がっている」とコメントした。