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「死者の平均年齢39歳」「入院患者は5年で倍増」 横浜市立大準教授らが先天性心疾患の死亡実体を調査 

横浜市立大学の落合亮太准教授などの研究グループは、全国的な循環器疾患関連データベース「JROAD-DPC」を用いて、成人期に達した先天性心疾患(成人先天性心疾患)患者の死亡実態を明らかにした。それによると、調査中に亡くなった人の年齢の平均は39歳と若く、入院患者は調査開始時と終了時で2倍に増えていた。

研究グループはJROAD-DPCから2013~17年度のデータで15歳以上成人先天性疾患患者を抽出した。また、海外のガイドラインにそって重症度を「複雑」「中等症」「単純」の3つに分類した。

分析の結果、13~17年度までの5年間で成人先天性心疾患を持つ入院患者は3502人~7230人に倍増していた。同じ人が複数回入院していた場合は、この数に含まれない。5年間で亡くなった人の年齢の平均年齢は39歳と若かった。重症例では3人に1人が死亡していた。

研究グループは「本研究結果から、成人先天性心疾患患者では、特に疾患が複雑な場合に、一般の(後天的な)心疾患患者と比べて、より若年で終末期医療について議論する必要性が示唆された」としている。