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江戸時代の日本人は皆が同じ食生活であったのか? 総研大研究Gが調査

過去の日本人の食事はどの程度、均質化していたのか―。総合研究院大学の蔦谷匠助教らの研究グループは18日、縄文時代や現代のデータと江戸時代の食事を比較した。

現代人は集団間でどの人も同じような食物を摂取している。だが、記録の残っていない過去の社会で食事がどの程度均質化していたかは不明だ。江戸時代は農業などの食

物生産が効率化して全国的な流通網が発達し、和食文化の基礎が形作られた時代。研究では、こうした江戸時代の人びとの食がどの程度均質化していたのかを、縄文時代や現代のデータと比較した。

その結果、個人間や集団間を比較した際、江戸時代には縄文時代ほどの食の幅は見られなかったものの現代の日本よりはずっと多様性があったことが分かった。「江戸時代の食が縄文時代より均質化していた背景には、発達した食物生産と流通網に加えて四足動物の肉食を禁じる仏教の教えがあったと考えられる」としている。